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「生成AIとクリエイションの境界線」(vol.8)

約1年半ぶりの開催となる『クリエイターのための無料法律相談所』。今回も骨董通り法律事務所の岡本健太郎さんをお招きして、この1年で劇的に変化したビジネス現場のAI活用について、その法的な論点をざっくばらんに伺いました。

2025年9月に「AI新法」が全面施行されたことや、「肖像や声の無断利用」をめぐる民事責任について法務省が検討会を設置するなど、制度の整備が着実に進みました。一方で、新聞各社による「Perplexity」への損害賠償請求や、AIの検索結果や要約表示だけで完結してしまい、読者が情報発信元のサイトを訪れなくなる「ゼロクリック問題」など、私たちのインターネット上のコンテンツとの関わり方も大きく変わった1年でもありました。

表現活動においては、この1年間で「AIと著作権」に関する法的な解釈はあまり変わっていないそうですが、著作権的に問題はなくても、社会的に問題視された炎上ケースが目立った時期でした。これは「権利侵害ではないのに批判される」という、法的な是非とは別の次元で評価される新しい局面と言えます。

炎上の背景にあるのは、AI活用の主目的が一般的なビジネス現場では「業務効率化」にある、という前提です。デザインやイラスト制作など価値創造が求められる分野で、「短時間で作りたかった」「費用をかけたくなかった」という効率化が目的だと受け止められてしまうと、手に職を持つクリエイターを軽視した行為と見なされ、拒否反応が起きるのです。つまり、「企業やブランドとして、AIを使った意味を明確に説明できるか?」が問われるフェーズになったと言えるかもしれません。

今後は、企業だけではなくクリエイターの一人ひとりが、「作業」と「クリエイティブ」の境界線を棚卸しして、自分の仕事の価値を再定義していく時代になります。Generate(生成する)と、Create(創造する)ことはどのように違うのか。私たちは何を手放し、何を守るのか。こんな答えの出ないテーマですが、AI時代に必須の問いとしてお届けいたします。

<本コンテンツの趣旨>

映画、音楽、演劇、ファッション、デザイン、写真など、昔からさまざまな表現分野がありますが、インターネットやSNS、動画配信などアウトプットするメディアがさまざまに多様化している現代社会では、クリエイターが表現し続けていくために、自身で知っておかなければならないことは増える一方です。もちろん、法律もそのひとつ。

そこでこの企画では、著作権や肖像権など、知っているようでよく分からないクリエイティブ業界に関連する法律の知識を、専門の弁護士の方から学んでいきます。

ご相談に乗っていただくのは、表参道にある『骨董通り法律事務所』の岡本健太郎先生です。この事務所は、「For the Arts」を旗印にアートおよびエンタテインメント業界の契約交渉や、著作権などの知的財産権に関するアドバイスを中心的な業務としている、クリエイティブ業界御用達の法律事務所です。岡本先生と一緒に、各法律についての知識や、それぞれの表現分野ごとに知っておくべき事例などについてお話を伺っていく予定です。

骨董通り法律事務所

https://www.kottolaw.com